街にでかけてみると、牛丼屋の近くに別の系列の牛丼屋があったり、ハンバーガーショップの近くにもさらに別のハンバーガーショップがあったりします。同じタイプの商品を売るライバル店が至近距離に立ち並ぶのはめずらしいことではありません。むしろ競合店の近くに出店する戦略をとっているからこそなのです、
ライバル店が近くにできるのはなぜか?という動画が楽しく説明しています。
ガソリンスタンドが近くで営業している光景をよく見かけます。

喫茶店も何軒も一か所に集まって営業をしていたりします。

スーパーマーケット、レストラン、自動車工場など、同じ業種で集まるのはなぜだろうか。

例えば、ビーチでアイスを売る場合を考えてみる。

ビーチの長さは1000メートル、競争相手がいない場合だと。

ビーチの中央に店をだせばお客さんが一番集まる。

ある日、ビーチには従弟のテッド君がすでにいたのだが、同じアイスを売っているではないか!

2人はビーチを半分に分けた範囲でカートを置いて商売することにした。

ビーチの南側の人は君(赤色)のカートにやってくる。

ビーチの北側にはテッド君(青)のカートに人がやってくる。

このようにお客を半分ずつ分け合った状態。これを「社会的最適解」とよんでいる。

しかし次の日、テッド君はビーチの真ん中でアイスを売っていた。

ビーチの真ん中にはテッド君(青)がカートを出している。君(赤)は昨日と同じビーチの南側にカートを置いた。

テッド君(青)はビーチの北半分に加え、南側の25パーセントのお客さんも取ることになった。

さらに次の日、負けないぞと君(赤)はビーチの北側半分の中央にカートを置くことにした。ビーチの南側の75パーセントのお客を独占しようと考えたからだ。

ところが後から来たテッド君(青)は君(赤)の南側にカートを置いた。

君(赤)はあわててカートを南側に動かすことにした。

テッド君(青)も負けずにさらに南側にカートを動かし、さらに君(赤)も南側にどんどんカートを動かしていった。



2人のカートは最終的にビーチの真ん中でとなりどうし並ぶことになった。

こうしてビーチのお客さんを半分ずつ分け合う結果になった。これは「ナッシュ均衡」とよばれる理論だ。

ナッシュ均衡とは、お互いに作戦をどう変えても状況が変わらない状況のこと。

最初の状態は長く続かなかったので、ナッシュ均衡ではなかったということになる。

お互いにアイスをたくさん売ろうと考えていくうちにお互いの店が近くなり、ナッシュ均衡になった。

たくさんのお店が地域に均等に散らばっていると便利な気がする。しかし店側にとって競争になってくると、ちらばっていると不利になってしまう。

実際では、お客さんはその地域以外からもやってきたり、いろんな商品を並べたり、値段を下げたりさまざまな営業形態が存在するが。

重要なことは、店の立地場所を競争相手に近づけることなのである。
