人気ライブ配信者の争奪戦が繰り広げられているインターネット配信業界

ここ数年でインターネット上でのライブ配信が定着化してきています。配信することができるサービスサイトが増えてきて人気配信者の取り込みに力を入れており、配信者の取り合いに拍車がかかってきました。

特にゲームに特化したストリーミング配信サービスの、AmazonのTwitch、MicrosoftのMixer、そしてコンテンツに幅があるGoogleのYouTubeの大手グループがゲーム配信者に巨額の報酬を支払って囲い込みを行い、ユーザー数を伸ばそうとしています。

コンピューターゲーム競技をスポーツ競技としてとらえる「eスポーツ」は、世界中でさまざまな大会が開かれるなど市場が成長しています。ゲームに特化したプラットフォームからスタートしたTwitchとMixerですが、一方でeスポーツ分野では後れを取っているYouTubeはライバルに対抗すべく、着々と新しい手を打っています。

2020年1月24日、Googleは大手ゲームパブリッシャーのアクティビジョン・ブリザードと複数年にわたる戦略的パートナーシップを締結したと発表しました。

また、アクティビジョン・ブリザードの人気タイトルによるeスポーツリーグである「Call of Duty League」「The Overwatch League」および、ハースストーンのeスポーツリーグについては、YouTube上で独占配信されることも決定。

eスポーツリーグの看板タイトル、コールオブデューティ、オーバーウォッチ、ハースストーンがユーチューブ独占になると決まったそうです。ゲームライブに巨額のお金が流れているともいえるこの動き、ゲームライブに参入する配信者が今後増えていくのではないでしょうか。

海外メディアのThe Vergeによると、今回YouTubeが独占生配信権を得た3つのeスポーツリーグはかなりの集客人数があると述べている。「オーバーウォッチ」のプロリーグであるThe Overwatch Leagueは、2019年のレギュラーシーズンに同時視聴数は平均31万3000人(分単位)、そのうち5万5000人がアメリカ在住のユーザーだったそうです。

また、人気FPS・コール オブ デューティシリーズのプロリーグとして新設されたCall of Duty Leagueは、Twitch上で累計270万時間超も視聴されています。決勝大会は同時視聴数は平均6万6000人(分単位)、ピーク時には18万2000人が視聴していたというデータがあります。

世界で最もプレイされているゲーム「League of Legends」の、eスポーツリーグはYouTubeおよびTwitchの両方で生配信されていますが、YouTube側の同時視聴者数は9万5000人、Twitch側は15万人超と人気コンテンツとしての存在感を示しています。

The Vergeは「プロリーグを使って視聴率を増加させようという試みは、新しい概念ではありません。YouTubeの戦略は、既存のTV局などが何十年間も取ってきた『スポーツを用いて視聴率を拡大する』という戦略と同じです。唯一の違いは、eスポーツが急速に成長し続けており、その過程でプラットフォーム上のVOD視聴者の中から、よりカジュアルなeスポーツファンを獲得することをもくろんでいるという点です」と指摘。

今回YouTubeが計画しているのは、巨大なeスポーツリーグを介し、eスポーツ市場を丸ごと取り込もうという大規模な戦略です。YouTubeで生配信を視聴するユーザーの数は、2018年第4四半期時点では2億9300万人だったのに対して、2019年第4四半期には3億3400万人まで増加しており、「YouTubeで生配信を視聴する」という行為がユーザーに浸透してきています。eスポーツを取り込むことで一気に生配信の市場を増やそうとしています。

「eスポーツリーグの視聴者には、ガンコな生配信派とカジュアルなVOD派の2種類がいます。生配信を好むのは根っからのeスポーツファンであるため、生配信先をYouTubeに移行したとしても、視聴者数にマイナスの影響はほとんどないものと思われます。また、YouTubeが適切な宣伝を行えば、さらに視聴者数を獲得できる可能性すらあります」と語り、生配信するプラットフォームを変更することはeスポーツリーグにとっては大きな問題にならないと主張しています。

YouTube上では「ゲーム」はすでに大きな割合を占めていますが、Twitchに後れを取っているこの分野。大規模なeスポーツリーグを誘致することでeスポーツ関連コンテンツを好むユーザーを誘導できればYouTubeはさらに巨大なコミュニティサイトに進化することになります。

gigazine