レジ袋の有料化について – ビニール袋を禁止するのは海洋汚染防止にそれほど効果がない?

消費税増税で国民の負担が増えたばかりですが、プラスチック製のレジ袋についても2020年7月1日から有料化が義務付けられるらしいです。これは廃棄されずに流れてしまったレジ袋が海洋生物の生態系に影響を与えるから有料化でレジ袋を減らしていこうという名目ですが真意のほどはどうなんでしょうか?日本国内のプラスチック製のレジ袋が減ることで海洋汚染が劇的に減るのでしょうか?有料化に異を唱える研究者の意見とは。

海洋に含まれる微小なプラスチック粒子・マイクロプラスチックは近年、大きな問題となっています。プラスチック問題にどう対処していくかは今後の環境問題での大きな課題ですが、一般的な解決策として挙げられる「プラスチック製のレジ袋を使わない」という方法は実はあまり意味がないと、デンマークの政治学者でコペンハーゲン環境評価研究所の前所長であるビョルン・ロンボルグ氏が解説しています。

https://www.theglobeandmail.com/opinion/article-sorry-banning-plastic-bags-wont-save-our-planet/

ヨーロッパでは環境保護が進んでおり、日本がそれに追従するというのは昔も今も変わっていないイメージがあります。おそらく今回も後に続けと政府が動いたんだと思いますが、そんな見本となるヨーロッパではレジ袋に限定することなく使い捨てプラスチック製品の流通を禁止する法案が採択されているそうです。やはり環境保護の意識がかなり高くて禁止するレベルも相当なものです。

プラスチックのもたらす環境汚染の影響は甚大なものであり、持続可能な社会を実現するため、カナダやEUは使い捨てプラスチック製品の流通を2021年までに禁止する法案を採択しました。

「プラスチックを減らす」という取り組みで、より人々の生活に即した行動に、「プラスチック製のゴミ袋をなくす」という方法が考えられます。実際に、20カ国以上がビニール袋を禁止するというアクションを取っており、テロ組織のアルカイダでさえビニール袋について「人間や動物の幸福に深刻な脅威をもたらすもの」とみています。

プラスチック製のレジ袋を無くしたり減らしたりするのは良いことであるはずです。しかし、異を唱える学者は先進諸国がプラスチック製のレジ袋を減らしたところでほとんど意味がないという主旨の発言をしています。

しかし、ロンボルグ氏は、「ビニール袋は海洋で浮かんでいるプラスチックの0.8%以下であり、全ての国がビニール袋を禁じたからといって、大きな差異は生まれない」と述べています。裕福な国でビニール袋を禁じる法律を作るよりも重要なこととして、ロンボルグ氏は発展途上国における環境ポリシーを充実させ粗悪な廃棄物管理体制を改善することを挙げています。

この研究者によると発展途上国が廃棄物をきちんと管理する体制がなく、特にプラスチックの海洋汚染に関しては、中国・インドネシア・フィリピン・ベトナムの4カ国によるものが大半を占めていると特定しています。中国に関してはすでにビニール袋の有料化を実施しているそうですが、人口が多いせいなのか海洋プラスチック汚染の絶対量は相当なものでよりいっそうの廃棄管理が求められます。

プラステック製のレジ袋の代わりに紙袋を使用した場合には、海洋汚染よりも大気汚染が進むという結果も。

さらに、2019年1月に発表された研究では、カリフォルニア州のビニール袋禁止により毎年4000万ポンド(約1800万kg)のプラスチックが削減されていると示されました。しかし、カリフォルニア州では多くのビニール袋はゴミ袋として再利用されていたため、ゴミ袋の消費が1200万ポンド(540万kg)増加し、紙バッグの消費も2倍に増え、より多くの二酸化炭素を生み出すことになったとのこと。

海洋ゴミのプラスチックの70%が実は漁業で使用されるブイや網だということについて何も触れられずにいるのは当然疑問がでてきます。航行中にやむなく捨てることもあるかもしれませんが、海洋上での投棄行為は監視の目が行き届かないために処分料をケチって故意に投棄している可能性も考えられなくもありません。

より重要なのは、やはり中国・インドネシア・フィリピン・ベトナムといった環境汚染に大きく関与している国での施策に焦点を当てることだとロンボルグ氏。これらの発展途上国における廃棄物管理について、プラスチックを削減する効率的な方法を模索することが重要だとのこと。

また、今日、海に浮かぶプラスチックの70%、つまり19万トンが漁業で使われるブイや網に由来しています。このことから、漁業においても何らかの行動を起こすことが必要だとロンボルグ氏は述べました。

プラスチック袋を減らしたところで変わりの袋が使用され、その袋の廃棄を管理しなくては元も子もありませんよね。環境対策はゴミを作らないだけでなく、生活していくうえで生じるゴミを低公害で廃棄できる設備と人々のマナーではないでしょうか。

https://gigazine.net/news/20191103-banning-plastic-bags/

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