ADHDの原因は風邪薬かもしれない? – 「妊娠中に一部の風邪薬を服用すると子どもがADHDになるリスクが2倍も高くなる」という報告

ADHDと風邪薬の関係性について因果関係があるという研究結果が報告されています。風邪薬といえば誰しも風邪をひいたらためらうことなく服用している方が大半だと思います。

解熱鎮痛薬の1種であるアセトアミノフェンを妊娠中に服用すると「生まれてくる子どもが注意欠陥・多動性障害(ADHD)、あるいは自閉症スペクトラム(ASD)になるリスクが高まる可能性がある」という研究結果を、アメリカ国立衛生研究所(NIH)が報告しています。

https://www.nih.gov/news-events/news-releases/nih-funded-study-suggests-acetaminophen-exposure-pregnancy-linked-higher-risk-adhd-autism

https://www.dailymail.co.uk/health/article-7630583/Study-claims-taking-Tylenol-pregnancy-doubles-ADHD-autism-risks-kids.html

アセトアミノフェンは発熱・頭痛に使われる非ピリン系鎮痛剤で、薬局でも手軽に買える風邪薬に含まれています。これを妊婦さんが服用した場合に胎児に影響があるのかという研究が行ったところ、出生後の児童がADHDだけでなく自閉症スペクトラムと診断されたケースがあったということ。アセトアミノフェンを摂取したグループだけを集め、量が多い 妊婦さんのグループと量が少ないグループとを比較した場合、ADHDの診断結果が約3倍もの差が生じたという。

ジョンズ・ホプキンス大学ブルームバーグ公衆衛生大学院の研究チームによると、アメリカ人女性の3分の2が妊娠中にアセトアミノフェンを服用しているとのこと。研究チームが赤ん坊の出生直後に母親と臍帯(さいたい)から採取した血液を検査したところ、アセトアミノフェンが検出されたケースが996件あったとのこと。

そして、アセトアミノフェンが検出された母親から生まれた子どもは平均8.9歳になるまでに、全体の25.8%がADHDと、6.6%がASDと、そして4.2%がADHDとASDの両方と診断されたとのこと。

アセトアミノフェンが一番多く検出されたグループのリスクは一番少なく検出されたグループのおよそ2.86倍だったことが判明しました。

ちなみにアセトアミノフェンの摂取判断は血液検査によるもので、今回の研究で初めて行われたというのは意外です。従来までの研究によると母親の記憶を頼りにした質問だったということで、はたしてそれが研究と言えるのか甚だ疑問ではあります。今回ではADHDの原因がアセトアミノフェンだと言えるスタート地点にやっとついたと思います。

これまで、妊娠中のアセトアミノフェン服用と子どものADHDおよびASDの間に関係があることが、先行研究によって示唆されていました。しかし、これらの研究は「アセトアミノフェンを服用したかどうか」を母親の記憶のみに基づいて確認していたそうで、血液の成分検査も行われたのは今回の研究が初めてだとのこと。

ジョンズ・ホプキンス大学ブルームバーグ公衆衛生大学院の早期生命疾患発生センター所長を務めるワン・シャオビン氏は、今回の研究結果から「出生前のアセトアミノフェンの使用は、ADHDやASDのリスク増加と一貫して関連している」と主張しています。

妊娠中のタバコや飲酒は胎児に影響を与えるということはよく言われています。それが出生後の児童にも影響を及ぼしかねず、これは風邪薬に含まれるアセトアミノフェンも例外ではなかったという結果からみると、一般論として考えてみても想定内の結論だと思います。

発達・行動小児科医のアンドリュー・エイズマン医師はこの所見について「アセトアミノフェンは一般的に推奨されているように非常に安全で効果的な薬物ですが、妊娠中の服用が想定されているほど安全なものではないかもしれません」と語り、「アセトアミノフェン暴露による神経発達へのリスクが最も大きくなるのが、妊娠中のどの段階なのかは不明です。そのため、アセトアミノフェンを安全に服用できる時期について、妊婦に助言することは困難です」と答えました。

この記事を読んでいて出産経験のある人の話を思い出したのですが、その女性は食事に好き嫌いがあり、妊娠した時に「食べ物の好き嫌いは子供にも移る」と考えて出産するまでになんでも食べるように努力したと言ってました。しかし「好き嫌いがある子供なんです」とおっしゃっていたのを思い出しました。今回のADHDとは直接関係はありませんが、母親が胎児に対して思いやる気持ちというのは自分の行動が胎児に影響があるのではないかと心配することに直結しているんだろうなと思いました。今回の研究で妊婦さんの体調管理について医師に相談する必要性がより増したのではないかと思います。

https://gigazine.net/news/20191101-acetaminophen-risk-adhd-autism/

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