アナログオーディオブーム? – 「カセットテープ」のブーム再来、いまも販売本数は増加中

デジタル機器の進化は止められないといった現代のビジュアル業界。しかし、オーディオ業界ではアナログのカセットテープが盛り返してきているという。

熱さめやらぬ「カセットテープ」のブーム再来、いまも販売本数は増加中

本格的なブーム再来の兆しが2年前から見え始めた「カセットテープ」。英国でのカセット販売数は過去10年で最高水準となり、世界初のBluetooth対応の新デヴァイスも登場するなど、2019年になったいまもその熱は消えそうにない。だがテープヘッズたちは、そのカムバックの規模などまったく気にしていない。重要なのは、その「魅力」なのだ。

カセットテープは20年近くにわたり、過去の遺物と化していた。ところが2年前に本格的なブーム再来の兆しが見え始め、2019年になったいまでもその熱は消えていない。関心は大きいとは言えないが、カセットテープのDIY的な魅力は衰えていないのだ。
2018年からじわじわと売上増加中


最新のデータによると、その売上は急増とは言えないまでも増加している。英国レコード産業協会(BPI)によると、英国では19年1月から7月にかけて35,000本のカセットテープが売れた。18年の同期間の売上本数は18,000本だったので、ほぼ2倍だ。アルバムセールスを集計する「オフィシャル・チャート・カンパニー」のエディターであるロブ・コプシーは、19年末までには75,000本くらい売れるだろうと予測している。

BPIによると、19年に入ってからのアルバムセールス全体で、カセットテープが占める割合は0.2パーセントにすぎない。それに比べて12パーセントと、まずまずの割合に達しているのがレコードだ。ここ10年で、カセットテープよりはるかに大々的な復活を遂げたのは明らかで、十分に立証もされている。

デジタル世代には「別世界」の音楽体験

カセットテープのブームの兆しは2年前からというこで全体の1パーセントにも満たないものの、同じアナログ媒体のレコードが12パーセントを維持していることから今後もカセットテープのシェアが伸びる可能性は十分考えられる。

新作アルバムのカセットテープは、単に販促のためにコレクションされるグッズである可能性もある。こうした新しくリリースされたカセットのうち、プレーヤーのデッキに実際に差し込まれるものがどのくらいあるのかについては、データがない。
CDと比べてカラフルなカセットテープの魅力は、新しいアルバムを宣伝するうえでも、新たなカセットファンを見つけるうえでも、うまく活用されている。


ラッパーのナズは19年7月、映画『チャーリーとチョコレート工場』に出てくる「5枚の金色のチケット」的なキャンペーンを実施した。これはナズの新作アルバム『The Lost Tapes 2』が収録された金色のカセットテープをマンハッタンのあちこちに隠して、そのヒントをヒップホップレーベル「デフ・ジャム」と「Mass Appeal」のInstagramアカウントに投稿するというものだ。最初にカセットを見つけたファンには、限定版の白いカセットも発売された同アルバムのローンチパーティーに招待されるという特典があった。

ロンドンにあるポータブルサウンドミュージアムのチーフキュレーターであるジョン・カネンバーグは、「わたしたちはずいぶん長いこと、物理媒体としての音楽から切り離されています。このためレコードやカセットテープは、いまや懐かしさだけでなく別世界を感じさせるものになっています」と語る。「物理媒体の音楽がデジタル音楽に追い抜かれた瞬間から、それはいずれ揺り戻しによって、再び音楽市場の一端を担うようになることはわかっていました。単に時間の問題だったのです」

購買層を分析してみると、レコードとカセットテープを懐かしいという目線で評価する人々だけでなく、新しい世界の体験として受け止める層がいるという。私も同じ曲のテープ版とCD版を所有していますが、テープ版独特の心地よさというのは確かにあるんですよね。当時はこのことを言っても誰も共感しないだろうと思い誰にも話すことはありませんでしたが。

ウォークマン発売から今年で40年

カセットテープの初心者であれ、久しぶりにテープで聴く人であれ、どう音楽を再生すべきかどうかが、ちょっとした悩みどころだ。中目黒のWaltzでは15年の開店以来、ヴィンテージのカセットプレイヤー1,500台が売れた。10代や20代の若者がウォークマンを好む一方、「年配の人たちはラジカセを購入していく」と角田は言う。
ソニーは19年7月1日にウォークマン発売40周年を迎え、銀座ソニーパークで9月1日まで記念イヴェントを開催していた。限定版ウォークマンの発売はなく、同社広報担当者も「ウォークマンの記念モデルを発売する予定はいまのところない」と明言している。

そう言われれば近年は「復刻版ビジネス」という商売も見受けられます。商業的には旨味のあるものかどうかはわかりませんが、一定の購買層があるのは間違いないと思います。

カネンバーグは「ソニーは新しいカセットベースのデヴァイスを市場に出す絶好のチャンスを逃したと、わたしは思っています」と語り、こう続ける。

「ウォークマン発売40周年記念だけではありません。現在の主にアンダーグランドでのカセットテープブームの再来を活用して、“新たなウォークマン世代”を生み出せた可能性があります。手ごろな価格設定にして、カセットテープとデジタルフォーマットの相互変換を可能にするなどの便利な機能を搭載できれば、ソニーというブランド名と相まって、カセットテープの売上を一時的にせよ大幅に伸ばせたかもしれません」

カセットテープの需要とウォークマンのブランドをうまく生かせるのはソニーにとってはチャンスであったという見解が述べられています。はたしてカセットテープの本格的ブームの再来なるか?

https://wired.jp/2019/10/14/cassette-comeback-sales/

スポンサーリンク